Sonarworksのヘッドホンキャリブレーションソフト「Reference 3 Headphone Plug-In」のレビューです。
このソフトはヘッドホンの周波数特性の癖を較正し、フラットにするといったものです。
概要
- 価格は€99(国内代理店で13800円)
- 定番ヘッドホンの多くが対応
- 基本はAU/AAX/RTAS/VSTプラグインとして使用する
- 「Systemwide Upgrade」を使用することでOSから出力される音全体を較正
対応ヘッドホン
Sony、AKG、Sennheiser、Beyerdynamicの製品など定番ヘッドホンの多数が対応しています。
- AKG K141 MKII
- AKG K240 Studio
- AKG K271 MKII
- AKG K701
- AKG K702
- AKG K712 Pro
- AKG K812
- AKG K44
- AKG K77
- AKG Q701
- Sennheiser HD25 (70 Ohm)
- Sennheiser HD25 II
- Sennheiser HD25 Light
- Sennheiser HD201
- Sennheiser HD202
- Sennheiser HD280 Pro
- Sennheiser HD380
- Sennheiser HD598
- Sennheiser HD600
- Sennheiser HD650
- Sennheiser HD700
- Sennheiser HD800
- Beyerdynamic DT770 80 Ohm
- Beyerdynamic DT770 250 Ohm
- Beyerdynamic DT880 Pro 250 Ohm
- Beyerdynamic DT990 Pro 250 Ohm
- Beyerdynamic DT1770 Pro
- Beyerdynamic DT1990
- Beyerdynamic T1
- Audio-Technica ATH-M20x
- Audio-Technica ATH-M40x
- Audio-Technica ATH-M50x
- Audio-Technica ATH-M70x
- Audio-Technica ATH-R70x
- Audio-Technica ATH-M30x
- Beats Mixr
- Beats Pro
- Beats Solo 2
- Beats Solo 3
- Beats Studio 2 (2nd generation)
- Beats EP
- Shure SRH840
- Shure SRH1840
- Shure SRH440
- Sony MDR-7506
- Sony MDR-7520
- Sony MDR-CD900ST
- Sony MDR-V150
- Sony MDR-XB650BT
- Sony MDR-XB950AP
- Sony MDR-XB950BT
- Sony MDR-ZX110
- Sony MDR-ZX310
- Sony MDR-ZX770BN
- AIAIAI TMA 1 PU Foam Pads
- KRK KNS8400
- Superlux HD681
- Blue Lola
- Blue Mo-Fi
- Philips SPH9500
- Audeze LCD-X
- Audeze LCD-2 non-fazor
- Oppo PM-3
- Yamaha HPH-MT220
- Focal Spirit Pro
- Bose QuietComfort 25
- Bose QuietComfort 35
- Grado SR60e
- Koss Porta Pro Classic
- Marshall Major II
- Marshall Monitor
- Pioneer HDJ-500
- Skullcandy Hesh 2.0
- Extreme Isolation EX-25
- Extreme Isolation EX-29
- Fostex T50RP
Systemwide Upgrade
Systemwide Upgradeでアップグレードすることにより、OSから出力される音全体を較正することが可能です。例えば、iTunesやSpotify、YouTube、SoundCloudなどの音を較正された音で聴くことができます。
アップグレードは€99(国内代理店で13800円)で行えます。
手持ちのAKG K702で使用してみた
現在メインで使用しているヘッドホンAKG K702でReference 3を使用してみました。
強すぎたハイが抑えられ、また、控えめだったローはしっかり聞こえるようになり、問題なくフラットな癖のない音になりました。非常に良い印象です。
遅延について
プラグインで使用する場合は、低レイテンシーモードで遅延はほとんど気になりません。
しかし、Systemwide Upgradeで使用する場合、遅延がかなり大きいです。
低レイテンシーモードでもとても気になります。
リアルタイム入力や録音を多用するコンポーザーやアレンジャーの場合、まともに作業ができないと思います。
そこで、海外フォーラムで「Audio Hijackというソフトを使うといいよ」という情報を見つけたので、試用版で試してみました。
Systemwide UpgradeとAudio Hijackの比較
Systemwide Upgrade
メリット
- 公式の安心感
- メニューバーからのオンオフや設定の切り替えが便利(Macの場合。Windowsはどうなっているのか知りません。)
- コンピュータ起動時に自動的に立ち上がる
- Reference 3のプラグインと連携しており、プラグインの使用を検知すると二重較正を回避するため自動的にオフになる
デメリット
- 遅延がかなりある
Audio Hijack
メリット
- 遅延があまりない
- Reference 3を通す前の音をアナライザやメーターで確認できる
デメリット
- Macでしか使えない
- 常時ソフトを起動しておく必要がある(Systemwide Upgradeのようにメニューバーで扱うことができない)
- Systemwide Upgradeと比べ、オンオフや設定の切り替えに少々手間がかかる
Audio Hijackは設定でレイテンシーを小さくすることができます。
(メニューバーのAudio Hijack→Preferences…→Audio ProcessingのLatencyを下げる)
リアルタイム入力や録音を使用するMacユーザーのコンポーザーやアレンジャーの場合、今のところAudio Hijackを使用するセッティングに軍配が上がりそうです。
Systemwide Upgradeの遅延が小さくなれば最高なのですが。
今後のアップデートに期待します。
おわりに
あと、海外フォーラムでSystemwideを使用すると音切れがあるみたいな書き込みを見ましたが)、私の環境ではそのような音切れは全くありません。
音切れがあるかなどの動作確認は、21日間のデモで試してみるのが良いでしょう。